新人現場監督のQCDSE

建築地場ゼネコン新人現場監督(施工管理)仕事内容!安全、品質、工程、予算、環境の5大管理!

地場ゼネコンに入って転勤することなく建築の現場監督(施工管理)の仕事の経験を積み1級建築施工管理技士に合格して監理技術者となって将来は億超え規模の現場責任者としてこれまで育った地元の街づくりに貢献する人生を送りたいと考えています。こうした現場監督(施工管理)の仕事内容について知りたいです。

監理技術者についてはこちらの記事をご覧ください。参考になれば幸いです。

それではこちらの記事では「建築地場ゼネコン新人現場監督(施工管理)の仕事内容とは?安全、品質、工程、予算、環境の5大管理!」と題しまして特に新人現場監督向けに説明していきますね。
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現場監督(施工管理)の仕事内容QCDESと地場ゼネコン現場監督

現場の責任者となる現場監督(施工管理)の仕事は社長の代理人として現場を管理することです。内容は品質管理Q-Quality、予算(原価)管理C-cost、工程管理D- Delivery、安全管理S-Safety、そして環境管理E- Environmentの5つの管理にまとめられます。
しかし大手、準大手、中堅といわれるゼネコンや中小地場ゼネコン、そして住宅会社では同じ5つの管理を行うにしても物件規模や建物種類が違えば施工に取り組むチーム編成も様々になりますのでチームリーダーの現場監督の仕事スタイルもかなり異なってきます。
こちらの記事では1物件2000万円クラスの住宅建築から10億円ぐらいまでの公共や民間建築に至るまであらゆる建築に取り組む地場ゼネコンの現場監督の仕事について特に入社1年目の新人から取り組みが始まる安全管理や品質管理にどんな職務があるかについて説明していきます。
大手、準大手、中堅と言われゼネコンや地方の中小地場ゼネコン、住宅会社との仕事のスタイルの違いについては別の記事で説明しますね。

現場監督(施工管理)の仕事内容「安全管理」について

地場ゼネコンの現場監督やってる高校の先輩が新人監督時代は安全管理から取り組んだと言ってました。工事現場の安全管理とはどんな仕事か知りたいです。
了解です。安全管理とは、現場での事故を防ぐために安全に施工作業を進めるための設備や環境を整えたり作業員に安全指導を行ったりすることです。それでは安全管理について詳しく説明していきましょう!

なぜ新人現場監督(施工管理)は安全管理から取り組むことが多いのか?

なぜ新人現場監督は安全管理という仕事に取り組むことが多いのですか?
施工中の現場は作業が進むにつれて工種が次々と入れ変わりどんどん景色が変わっていきます。1日のうちでもさっきまで無かった資材がいつの間にか置いてあります。施工中は騒音や振動も発生しがちですのでお互いの声が聞こえにくかったりします。エアコンが効いているわけでもなく暑さ、寒さ、雨や風の影響ももろに受けます。
このように危険が多いので現場作業の安全を確保することはたいへん重要な仕事になります。実は安全管理について取り組まなければならない内容は法律で決められており労働安全衛生法がその根拠になります。労働安全衛生法を守れなければ建設事業はできません。
安全は誰にとってもわかりやすくなければなりませんし安全を守ることは現場のすべての人のために大切な事です。そのため新人現場監督が一日も早く安全管理業務を身に付ける必要があるのです。

労働安全衛生法はこちら 出典:ウィキペディア

労働安全衛生法第3条より

  1. 事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。また、事業者は、国が実施する労働災害の防止に関する施策に協力するようにしなければならない。

  2. 機械、器具その他の設備を設計し、製造し、若しくは輸入する者、原材料を製造し、若しくは輸入する者又は建設物を建設し、若しくは設計する者は、これらの物の設計、製造、輸入又は建設に際して、これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止に資するように努めなければならない。

  3. 建設工事の注文者等仕事を他人に請け負わせる者は、施工方法、工期等について、安全で衛生的な作業の遂行をそこなうおそれのある条件を附さないように配慮しなければならない。

ちょっとした不注意が重大事故につながりますので現場内のすべての入場者に注意喚起するなどの仕事は超重要です。新規入場者教育などを行い法令で定められた安全書類の作成も行います。こうしたことは新人でも理解しやすいことですので現場監督の仕事として最初から覚えてもらうようになります。 

 

安全施工サイクル

安全施工サイクルとは何のことでしょうか?
安全施工サイクルは施工という業務に毎日、毎週、毎月の安全実施事項「1安全朝礼⇒2安全ミーティングKY活動⇒3作業開始前の点検⇒4現場巡視⇒5安全工程打合せ」をサイクルとして組込み実施し、工事を無事故、無災害で竣工させる取組みのことを言います。ちなみにKY活動というのは危険予知活動のことです。危険「KIKEN」の頭文字からK、予知「YOCHI」の頭文字からYをとってKYです。安全管理はじめ現場で使われるアルファベットの略語も対して多くありませんのでひとつづつ覚えていきましょう。
こちらからは東京オリンピックの建設需要時の労働災害防止対策事業として作成された新規入職者安全衛生教育テキストがダウンロードできます。イラスト付きで大変分かりやすくまとめられていますのでいろいろな作業で行う具体的な安全活動が視覚的に覚えやすくなっています。参考になれば幸いです。

新規入職者安全衛生教育テキストダウンロードページはこちら

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現場監督(施工管理)の仕事内容「品質管理」について

それでは品質管理について教えてください。品質管理とは図面どおりに建設物を造ることと聞きましたが図面通り建設物を造るためにどのようなことを行っているのか詳しく知りたいです。

品質管理の肝は施工図!設計図と施工図の意味!

図面通りに建設物を造るといいましても設計者が作成した設計図面をそのまま専門業者さんに見せてもものづくりは前に進みません。

設計図面には意匠図、構造図、そして設備図の3つがあります。

1建築物の形態や間取り、仕様の設計図となる「意匠図」

2柱や梁などの構造部材といった建築物の骨組、敷地地盤状況となる柱状図、鉄筋、鉄骨の標準納まりを表すなどの「構造図」

3電気関係、空調関係、衛生設備関係を表す「設備図」

ゼネコンはこれらの設計図を基に実際に施工、組み立てができるよう専門工事業者(サブコン)と協力してより詳細な組立図を作成しなければなりません。

これらの図面を施工図といい、設計者に対しても専門工事業者(サブコン)に対しても細かな点までわかりやすい表現にしなければなりません。工事現場では予め設計図で表現しきれない事もたくさんありミリ単位の詳細寸法で納まりを決めていかなくてはいけませんのでさまざまな縮尺の図面も必要となります。現場監督がわかりやすい施工図が作成できるということはそれだけ現場施工について熟知していることになります。

こうした現場全体の納まりがわかるようになるまでには相当な経験を積む必要がありますので、新人の現場監督の皆さんは一つずつ着実にスキルを増やしていくことになります。そういう意味でも現場写真への取組方はたいへん重要ですね!

新人現場監督が任せられることの多い仕事は施工記録写真!

現場監督の行う品質管理とは「建物を図面の指示どおりに完成させること」です。そのためには元請ゼネコンの現場監督は使用する各種部材のデザイン、強度、寸法、材質、機能などが設計図書通りの品質を満たしているかどうかの検査を行い写真などの必要な記録を残し、作業工程ごとに設計監理者の承認を得ながら工程を進めていかなくてはなりません。
先輩から現場の品質管理に必要な施工記録写真の撮影管理が結構いっぱいあると聞きましたがどのような内容なのか知りたいです。
工事の写真記録ですね!これは重要です。うっかり写真記録を忘れると施工のやり直しを命じられることもあるくらい重要です。

新人現場監督の成長を加速する品質管理「工事写真記録」

現場監督をしている先輩から工事写真については施工途中の隠蔽部について特に重要だと言われました。どういう意味か知りたいです。
施工が進むにしたがって隠れて見えなくなる部分を隠蔽(いんぺい)部といいます。例えば鉄筋コンクリート構造の場合、鉄筋の施工『配筋』が図面通りできているかは躯体強度上たいへん重要ですので施工写真を残します。このように施工写真は各段階における施工状況や施工経過等を証明できる重要書類です。特に隠蔽部の施工写真は『撮影することをうっかり忘れた!』場合、工事のやり直しにつながりかねないたいへん重要な業務です。

 

施工写真はどんな工事を行ったかを証明する重要な証拠です。鉄筋の数や長さが図面の指示通りできていなければ大きな賠償問題になります。そうならないために適切な工法で正しくやっていることを証明をするために大量の写真記録が必要になります。

 

それをわかっている現場監督の写真記録は適切な工法で正しくやっていることが伝わりやすい記録です。すなわち施工の意味や精度についてしっかりと理解しているということになるのです。

現場監督(施工管理)の仕事内容「環境管理」について

現場の環境管理とはどのような内容か知りたいです。
現場監督(施工管理)の取り組む環境管理には、「自然環境・周辺環境・職場環境」という3つの要素があります。一つずつ見ていきましょう。

自然環境

建設現場周辺の地盤や土壌、空気汚染などの環境に対して工事を行う影響を考慮すること

周辺環境

重機の音や振動、騒音や粉塵、車や重機の排気ガスなど、建設現場周辺の住民に迷惑がかからないように考慮し、対策を行うこと

職場環境

現場の作業員が働きやすい職場になるよう、環境を整えること

工事決定後、本格的に工事を始める前に、現場監督(施工管理)は工事を安全かつスムーズにすすめるためには、そして近隣の住民や通行者の皆様に工事の影響をできるだけ与えないようにするためにはどうしたらよいかについて安全や環境を考えます。

敷地境界をしっかりと確認の上、工事敷地の仮囲い、工事用のゲート、仮設事務所の設置、仮設電気や水道、通信手段の手配を行います。こうした計画を総合仮設計画といいます。

新人現場監督にとって総合仮設計画を作成することは無理ですが、自然環境、周辺環境、職場環境を考慮することはたいへん学びやすい内容ですのでどんどん吸収していきましょう。

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現場監督(施工管理)の仕事内容「工程管理」について

工程管理について教えてください。 また新人現場監督ができる工程管理業務があれば知りたいです。

現場監督(施工管理)における工程管理とは、品質を確保して予算内で契約工期にしたがって建設工事を完成させるため、現場全体の作業スケジュールを管理することです。

計画どおり進捗しているか確認する中で遅れがあるときは原因を調べ対策を立てます。

そのため作業項目や日数、工事の進捗率などを踏まえたネットワーク工程表やバーチャート工程表の作成が工程管理に欠かせません。

悪天候で作業が滞ることもあらかじめ考慮し、1か月や1週間といった短いスパンでの工程表の作成が必要になることもあるでしょう。

新人現場監督さんの、特に1年目、最初の工事現場では毎日が目まぐるしく過ぎていくので上司の指示についていくのがやっとだと思います。

工程管理は一通り慣れたころ週間工程表ぐらいから取り組むことが多いです。

工程表を作成するということは施工の進み具合がわかって専門工事業者さんとの打合せにも加わっていける実力が身についてきているということになりますよ!

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現場監督(施工管理)の仕事内容「予算管理」について

予算管理について教えてください。 また新人現場監督ができる予算管理業務があれば知りたいです。

予算管理とは、人件費や材料費といった原価やコストを管理する業務です。

さすがにこの業務は知識や経験、取引先との折衝力など現場を経営する総合力が必要になりますので新人や若手現場監督に任せられるものではありませんが、地場ゼネコンに入社して実務経験を重ね、並行して1級国家資格を取得して監理技術者資格者となったあかつきにはいずれ現場を任される日がやってきます。

その日に備えて新人の頃から工事のあらゆる面を見逃さないようコスト意識を養っておきましょう。

工事の安全や環境などにも必要なコストをかけなければいけませんが企業として利益を出すためにコスト管理をしっかりと行わなければなりません。

見積競合案件をガチンコ勝負で戦い抜いて案件を獲得することの多い地場ゼネコンの人件費等の経費や利益はまさしく現場監督(施工管理)の双肩にかかっているといっても過言ではありません。

 

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建築地場ゼネコン新人現場監督(施工管理)仕事内容!安全、品質、工程、予算、環境の5大管理!まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございました。

施工管理5大管理というときQCDSE(品質、予算、工程、安全、環境)という語順が一般的ですが建設業界では安全と環境を優先するという考え方が定着しつつあります。

新人現場監督も安全Sと環境Eを踏まえて品質Qについてより深い理解を身に付けていきます。そのうえで工程Dや予算Cを学びます。

1級建築施工管理技士に合格して監理技術者としてやりがい満載の転勤の無い現場監督人生を送りたいなら、県や市の公共入札参加資格トップランク(都道府県によってAランクやSランクなど呼び方が違います)の公共建物の実績を有する地場ゼネコンがおすすめですよ。

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